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森邦雄バイオリン製作室

福島区福島8-8-3 ランドマーク福島405, Osaka, Japan
Professional Service

Description

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バイオリン、ビオラ、チェロの製作・修復・修理・調整全般を行なっています。 無量塔蔵六氏が設立した東京ヴァイオリン製作学校の一期生としてこの世界に入る。その後、木下多郎氏の元で修行し、楽器店勤務を経て、1987年に独立開業。現在に至る。

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熊本大地震のニュースは、人の幸せというのは薄氷を踏むような存在でしかないのか、と痛感させられました。 重力波の存在を確認する装置をつくりあげた人類なのですから、地震の長期予知測定装置の完成を1日でも早く待たれます。それでも地震だけは避けられないのですから自然界のまえでは人間は無力ですね。 ついに1ヶ月をこえてface book を更新できませんでした。たいした内容ではないので待ち望まれておられることなどないのはわかっておりますが、お客様から「お!がんばって仕事をしてるな!」と確認できるなどといわれますと、ついサボってしまいがちな自分を叱咤しております。 さていまの時期、街のなかや電車の中で、就活中の学生さんをみかけます。聞くところでは今年は好景気もあって少し学生側には良いとか。 恐らく人生最大の選択、岐路にあたる社会人への選択肢なのですから大変です。 ここから人生の進路がそれぞれわかれていくのですから、だれでも良い選択をしたいとは思うものです。 もう38年ほど前には、私も社会人への第一歩として今の職人の世界へ入門いたしましたが、当時はまだまだのんびりした時代でした。数えるほどしかいないような、ひっそりとしたような世界でしたから。今はお店や工房の数もものすごく増えて激烈な競争の世界であることは他業種とかわりません。 もし現代でしたら私など入門することもできないでしょう。 以前人生を24時間時計に置き換えて考えてみましたら、20歳で午前6:00、40歳で12:00、そこから先は恐ろしくていえません。 そう考えると、今就活中の学生さんは、たとえ望み通りでない就職先であっても、アミダくじの選択のように、すすんでいけば、やがてものすごい良い結果になるかもしれません。選択しない人生はむつかしいのですから、今の結果に必ずしも一喜一憂する必要もないのかもしれません。もちろんものの考え方ですので、人によっては反論もあるでしょうけど。 それにしても子どものときから、お受験競争に参加し、場合によってはそのお陰で有利な就活で望みます通りにいったとしても、それが人生のゴールではなく、始まりなのですから、生きていくのは途方もなく厳しいのか、それともメチャクチャおもしろいとみなすべきなのか。 前置きのはなしばかりが、長くなりました。申し訳ございません。 さて最初の1枚目の写真から。 業者さんからチェロ用の内臓型テールピースのネジ、チタン製にかえると音が変わる!とすすめられて、恐る恐るほんまかいなと思いながら交換してみました。まるで別人みたいにかわってしまうと、いままでの努力はなんやったんや?!となるので反って困ってしまいますが、こんなネジひとつでとにかく変化はするのですから楽器の世界は不思議なものです。結局4本のネジすべてを換えてしまいました。見た目のチタンの色も格好よかったので。見た目も大事ですから。 そして次の写真は今年の木彫画の1作目、 「桃熊さんはバイオリンよりアザラシがお好き?!」 工房の白壁を木彫画でうめつくすまで、と目標をたてて彫り始めたのですがまだまだ余白はいっぱいですから、これからも作り続けていきたいです。 腕を振っても重力波が発生するのですから、ご覧になった方が、たまたま微かでもニコッとなりかけましたら、それで充分です。原因と結果ですね。結局微かでもなにかは影響あるのかもしれないようですから。 耳からは音楽に限らずいろんな音が入ってきますし。眼からも同じように自分の意思とは関係なく様々な視界が飛び込んできます。目元が休まればうれしいのですが。 しかし、どんな世界もそうですが、何かを続けると至らぬ点ばかり気づいてしまい反省ばかりしてしまいます。欲をだすと反って良くないなあと思うこともありますし。上手く彫ろうとか、欲のでた画を描こうとするとなんか気になります。 こちらも真摯に続けてみます。 このところアゴ当て製作、情熱がやや薄れて中断しておりましたが、もちろん作っております。今回の写真は国産材を使って当室のスタンダードな形のアゴ当て製作したものです。。色がまだ完全にコントロールできなくて、同じ材でも微妙な色の違いがでてしまうため、研究の余地たっぷりある状態です。 アゴ当てに体をあわせるのではなく、体にアゴ当てを合わせるという考えは確信に近いのですが、それでもピッタリというアゴ当てを製作するのはまだまだ至難の技かもしれません。 防水性の強い油を用いて仕上げるか、樹脂を利用するか、選択肢はまだまだあって難しいです。 次の写真はバイオリンの内型を合板材で製作中のものです。コーナーのC字形の箇所はナイフを用いて丁寧に削っていきます。そのあと金属ヤスリで整形して仕上げます。C 字形以外のところは小鉋で削り、ヤスリで整形することができます。 白い型板にピッタリあえば完成です。 ラインが仕上げれば、ブロック材を取り付ける箇所を6箇所カットします。 今回は古典的なひもを使って側板を圧着しようと考えましたので、そのための棒穴も4箇所開けました。その他はクランプ用の穴です。古典と現代の併用ですね! 今回は見ていただきたくて古典的な方法にしてみましたが、なかなか味わいあっていいです!ひもで縛っておりますと手仕事感を実感します。変な言い方ですけど。便利なクランプは効率を実感しますが機械に頼った感じはあります。 閑話休題、花の写真は花水木です。次写真はシャガの花で、その次はあの野菜のルッコラの花が咲いたのでたまたま撮りました。 (余計な写真ですね、スミマセン!) 毛替えの話、最近してませんが、いつも通りの毛替えを続けてはおりません。 自分のなかでは、進化しなければ毛替えの質は悪くなると思っております。 ですからたとえば3年前の毛替えと今の毛替えは違っております。 ただ使う馬毛は同じであれば、こればかりは気に入っていただけるとは限らないこと、よく存じあげております。 毛の質の違いは、弾き心地や音の違いにもつながりますので、思案するところです。全ての人の味の好みには応えることは難しいなあと実感するばかりです。 自分では納得できた毛替えができたとしても、お客様には満足いただけないことはもちろんございます。本当に難しいです。料理人のかたもやはり悩まれておられるのでしょうか? 最後の2枚の写真 健康に良いとかでコーヒーも評価がかわったそうです。愛用のマグカップが欠けたので、欠けたところを樹脂で埋めて本物の金箔を貼って修理してみましたら、何となく高級になったよう思いました。本物のやり方は漆をつかうそうですが、それはできないので現代的やり方で直してみました。 タコをゆがいたら足先がくるっと丸まって、まるでバイオリンの渦巻きのようなのであわてて撮ってみました。 自然界のなかには常にヒントが存在しているのでしょう。 では今回はこのあたりで失礼いたします。いつもご覧になってくださり本当にありがとうございます。 次回は早めに更新できますように!と自分を励ましております。 宜しくお願い申し上げます。

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以前 NHKの朝の連続テレビ小説で再び話題になった「赤毛のアン」、そのなかでアンが「我が人生最大の悲劇的失望だわ!」と語る場面がございます。 もし私にも語ることを許されるのなら、言いたいです「我が職人人生最大の悲劇的失望だ!」と。 大袈裟なことはわかっています。アンも養母マリラに子供らしくない言いかたをたしなめられておりますし。 表板を削っていましたら、許されざるところ、魂柱の立つちかくにヤニツボが! 絶対現れてほしくないところにヤニツボとは、なんという悲劇!大袈裟な! こうなると、もうどうにもなりません。たとえヤニツボを取り除き、修復したとしても、完成したバイオリンは最初から理由あり楽器になってしまいます。 笑い話的な原因をさがしたのなら、天罰が下ったんや!とかバチが当たったんや!とか言われたものです。 でも思い当たるふしがありすぎて、それならばもっとヤニツボのパンチをうけなくてはならない私ですが(実際は過去3回ほどあります)、もしかするとこれが天罰でなかったとしたら。 ヤニツボの出現を必然とみなしたら、逆に「天の助け」になるかもしれません。 「おまえなあ、この表板やめとけよ、この表板使ったら、完成して音でたとき、それこそ悲劇的失望やで」と。 ものの見方というのはそれによって天国にも地獄にもなるような結果の違いになるのかもしれません。理屈っぽい話ですね。 自分に起こることを単なる偶然とみなせば、不幸への道につながるかもしれませんし、必然ととらえれば、好転へのきっかけにもなるかもしれないのですから。 それにしても20数年乾燥させ、寝かせた表板がパ~になるのですから、カミサマはやっぱりイタズラ好きなのか、それともカミサマのいう通り!なのか。わずか2㎝の厚みの表板のなかで20数年ヤニツボさまは潜伏してきたわけですから、大したものです。 普通なら製材したときに露見するものなのに、それも逃れ、たまたま現れたとおもったら魂柱のあたりにヤニツボさまは鎮座し、失望へと導く。 ところが見方をかえれば、失望どころか別の表板を選択することで期待へと導いてくれるかもしれないのですから、人生みたいでわかりません。 人生といえば、人生の辛酸をなめつくしたすえに、やがて売れっ子小説家へと転進した作家さんが、人生は自転車こぐようなものやでえ、こぐのをやめたら倒れるでえと著作のなかで書いておりました。わたしのような、しょっちゅう怠け心におおわれている人間には耳の痛いお言葉です。こぐのをやめてサボってることしばしばですから。 さてパ~にする表板、もはや修復する気力はわきませんし、かといってそのまま放置するのももったいないし。 あらかじめヤニツボさまがわかっていたら、バスバー材や、ブロック材に転用できましたけれど、もはやこの段階では無理ですし。 悩んだいたら、あることが頭のなかに浮かんできました。 30数年前、まだ修行時代のとき、くじ引きゲームで親方からもらった分数用裏板材です。そのときから既に接ぎ合わせてあったので、すぐにでも切り出せてのですが、いつか分数バイオリンを製作しようとおもいつづけて、30数年たってしまいました。 明日から、来月から、来年から、いつか始めようとして実現することなどないのです。怠けものの私の人生の一面をよく表しており、恥ずかしい限りです。 時間ができたらいつか作ってみようとおもってみても、何一つ実現しません。決意して、実際に始める、そうしなければ何も変わらない。 わかってるんですけど、情けない限りです。 それで、今回はこれではいかん!と反省して、すぐに1/16サイズの型板を作りました。型板だけですが。 型板を作るのはすぐです。30数年もかかりません。にもかかわらずできない。 型板をヤニツボのある表板にあててみると、まだかかってしまいますが、もう端のほうですからヤニツボを修復すれば構造的にも見映えも全く問題なく使えそうなことはわかりました。なのに!なのに、もう心のなかで、5年ぐらいかかるかなあ?!と怠け者の言い訳を唱え始めている自分がそこにはいました。 型板は1/16サイズと右側は4/4サイズを比較のために並べてみました。どうですか?かわいいですか? ボディの全長ですと、フルサイズ4/4で約 35.5㎝ですが、1/16サイズですと約21㎝ほどです。 なお数値は国際的取り決めできまったものではないようです。ヨーロッパ製の輸入品は例えば、日本のメーカーの分数バイオリンより小さい場合があります。 大きいんではないですよ、逆に小さいんです。ビックリでしょ。 昔は1/32サイズというのもあったようですが、私はあつかったことがございません。教える先生も1/32サイズだと、とても大変そうにおもいます。 話は戻って、前述の作家さんが続けてかいておりました。 安心したらもうおしまいやでえと。 人生にゴールなんてないんや、一生自転車をこぎつづけるんや!と。 この言葉をきいただけで、充分絶望的になります。大阪のことばでいえば、ああしんどお!と、馬車馬のように働く自分を想像してしまいます。本当はひとにたいして誇れるほど働き者ではございませんが。 1/16サイズのバイオリン製作は決してゴールではありませんが、フルサイズと違って気乗りのしないスタートになりそうです。小さいから作るの、しんどそうやし。作ることにワクワクせえへんし。 言い訳ばっかり並べ立ててる自分も困りもんやし。 今回はヤニツボの件でやたら長い話になりました。情けない私の懺悔話みたいになりました。 人生なにが起こるかわかりません。それは誰しも実感しておられることとおもいます。ヤニツボのことなど些細なことなのですが、やたら大袈裟に語ってしまいました。皆様もときどき、似たようなヤニツボ事件にであっておられることとおもいます。見方によっては何かの暗示になるかもしれませんし、あるいは勝手にきっかけと思い込むことも転機になるかもしれません。ヤニツボにはたいしたショックでもなくて、そういえばヤニツボ事件みたいなことの連続やなあと、ふりかえって自分自身をみてしまいました。それで今回だらだら長々と書いてしまったわけなんですが、何卒お許しくださいませ。 最後に「赤毛のアン」の最終章でアンが語ります。 「曲がり角のむこうになにがあるか、今はわからないけど、きっとすばらしいものが待っていると信じることにしたわ。」と。 私も曲がり角ばっかりなんですが、なかなか素直に信じることができずにこまっております。 30数年無視され続けた分数用裏板には悪いことしたなあ、と懺悔的におもいつつ、ついにその時がきたのならいいんですが。さて1/16サイズの木型はいつface book にのせることができるんでしょう。 今回は写真も数枚ですみません。

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100年前に予言された重力波がついに確認(発見)されたというニュースは新聞紙面、TVを賑わせましたが、誰でもわかるような解説をきいても、わかったような気分にはさせてくれるのですが、本当のところは何なのか、よくわかりません。 それよりも重力波を確認するための測定機械を作り上げた頭脳には、おお!とつくづく感心いたします。 解説によれば、たとえば腕を振っても重力波が発生するのですが、、あまりにも小さいため測定できないのだとか。 重力波測定装置を作った頭脳の人たちには、余力で構いませんので良い音に導くための測定装置をつくってほしいものです。 重力波は未來の人類に、良い音に導く装置はいま生きている人たちの幸福に貢献してくれそうなのですが。 もしそんな測定器具が完成いたしましたら、きっと多くの職人が買い求めてしまうので、みんな似たような音になったしまったらどうしましょう。現代にストラディヴァリの音が再生できましたら朗報かもしれませんが。 さて重力波のことから、少し原因と結果について想いを巡らせてみました。 良い音は必ずしも偶然ではないのならば、その原因となるものはなんなのでしょう。それさえ確認(測定)できればまるで秘密の法則を垣間見た気になれるのですが。あまりにも原因やら様々な要因がからまりすぎて、一向に謎をつかめないでおります。 突然ですが、お客様からの質問のなかに、モデル(型)によって音は違うのでしょうか?と聞かれることがございます。 今までの答えは、同じですとか、型によって音が違ってくれれば嬉しいのですが、などと申しておりましたが、腕を振っても重力波が発生するのであれば、モデルが違えば音はやはり違っているはずなのですが、あまりにもその違いが小さすぎて確認できないだけなのかもしれません。つまり人間の聴覚では確認できないだけかもしれません。 現実的には昔の巨匠のモデルのハンドメイドであれ、量産品であれ、その巨匠に近い音が実感できるか?といえば、なかなかそうではないので、型という原因がどこまで強く作用しているかどうか、わからないものです。それでもその小さな原因が、なにかの要因で大きな結果を生むかもしれないとしたら、、。 何も考えずにただ作り続けているだけでしたら、なかなか原因のからまりが見えてきません。 もしかしたら、これは人生も似ているかもしれません。説教臭い話は避けたいのですが、努力したからといって報われないかもしれないのは、精緻に作ったからといって良い音がするとは限らない楽器製作の世界と似ています。 努力といっても、自分が勝手に努力と称しているだけで、外からみれば努力とは言いがたい程度かもしれませんが。 さて製作の最初の一歩は内型になる、木型をつくることから始めます。いまは合板を使うことが多いと思います。簡単に入手できて扱いやすいものですから。 あくまでも、やがては取り外す型ですので、これも音の原因になるとは考えてはおりませんが、もしかしたら?! ですが、木型の製作時、ブロックの大きさを決めますので、やがては仕上がりのブロックの大小により音の原因は既に発生しております。ブロックの位置や大きさは製図の段階で自動的に美しく決まる場合もあれば、設計の段階では意図的に大きさを決める場合もあります。必ずしもブロックの大きさの数値は決まっておりません。大きめにするか、小さめにするか、このあたりから既に音の進化の選択肢が始まっております。 残念ではありますが、まだハッキリとした因果関係がわかりませんので、こうすればああなるとは言いがたいのです。 私個人としては、設計の際、まるで美しい法則性のごとく、ブロックの位置が決まりますと、それがベストと、恋愛のように思い込むしかございません。 (昔何かの本のなかで、恋愛は思い込みがないと成り立たないという文章を読んだのが頭の中に残っておりました) ブロック材は表板と同じスプルース材でしたら、鉈割り材を使うようにします。 割れる方向が真っ直ぐ、直角ですとやはりベストなのです。裏板に対して直角に割れ方向のブロック材をとりつければ、削り作業もしやすいですし、なによりも見えないところの良心です。 割れ方向に対して木口面が直角になるように、鉋で削って、6ヶ所のブロック材を木型に接着します。接着といっても仮接着程度です。やがて取り外しますので、強く接着してしまうと後で取り外すのが大変です。 ブロックの高さはバイオリンで、約30㎜+程です。 先ずコーナーブロック(中央の4ヶ所)の内側を削って側板を接着することから始めます。スコヤという直角を視る器具で石の定盤のうえで、ブロックを精確に直角方向に削ります。その上で、側板をしっかりと高熱高温のアイロン盤で曲げます。削ったブロックのカーブにピッタリとあわせればOKです。 接着方法は古典的なひもを使って圧着する方法、クランプを使って圧着する方法、もうこんなやり方はあんまり誰も行っていないと思いますが、特殊な器具で押さえるように圧着する方法です。 たいていクランプで圧着するとおもうのですが、果たしてこれによって音の原因となるのでしょうか? 今回は真面目で退屈な話が続きました、すみません。そして2/29の更新目指していたのですが、わずかに越えてしまいました。どうか今回に懲りずに、何卒次回更新も宜しくお願い申し上げます。 アベノハルカスビルの写真です!

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本年も何卒宜しくお願い申し上げます。 今頃なんじゃ!とお叱りを受けてしまいます。昨年大晦日にface book の更新を行って、全く余力もなくなってしまい、やっと2016年1月31日に今年最初の更新を行うことができます。なかなか予定通りにはいかないものです。 昨年末は年賀状の原画の作製のため、大慌てで木彫画を彫っておりました。 12月の慌ただしい仕事の中、仕事の合間に大急ぎで彫って着色、すぐに写真を 撮ってパソコンにとりこんで編集、プリンターで印刷して、それから手書きで宛名書きですから、投函したのはもう年末、きっとおおくの皆様も同じですよね、きっと。 今年の干支は申ですので、そのイメージで彫ってみたのですが、いかがですか? 今は工房の壁に飾って楽しんでおります。次作は既に題材決まっているのですが、冬が去らないうちに彫ってしまわないと季節感が合わなくなるので、いまは意欲だけは満々です。まだ着手しておりませんが。 さて今年の一月前半に大阪市内で桜の花が咲いていたのを目撃、おもわず証拠写真を撮りました。ほんまに桜かいな?と樹皮をみましたが、やっぱり桜です。きっと暖冬の影響だろうと思っといたら、その後に記録的な大寒波到来!どうなってるんでしょう! あの桜の花は固まったままでしょうか? 気になります。 そして今年初の白鷺との出会いがありました。いつもはそそくさと逃げていくように離れるのですが、なぜか撮ってもいいよ!というぐらいのんびりした白鷺さんでしたので、良いポーズで撮れました。白鷺に出会うと、なんだか良い気分になりそうなのですが、皆様にもおすそわけできたら嬉しいです。 さて昨年から続いておりますチェロの製作、ボディにネックを仕込んだ後、ナイフや小鉋、ヤスリでまるいネックの形に削っていきます。それから紙ヤスリを順に細かいものに変えながら、美しい表面に仕上げていきます。手で触ってもスッと滑るくらい滑らかな表面にします。 ネックは演奏上とても大切な箇所です。音程が正確にとれるように、スムーズな手の動きができるように美しく滑らかな表面にいたします。私はネックを着色してから、オイルを浸透させる表面処理を施します。(着色しない方もいらっしゃいますし、表面にニス塗装される方もおられます。) さあこれから糸巻きの穴をあけます。 もし強力な大型のボール盤でもあれば、ネックを材木から切り出す前に、予め4本の糸巻き穴をあけることができます。そうすれば、とても精確に位置取りができますので、後々大変楽なんですが機械がないので、いつも最後に糸巻き穴をあけております。 修理などで糸巻きの穴を埋め直して、再び理想的な位置に穴を開け直すのと、同じ作業ですので、後から穴開けした場合でも精確に糸巻きを仕込めますよ! さて写真は、まず正確に糸巻きの位置を割り出します。といっても完全に精確に決めたとはいえ、実際に穴をあけるときに、微かなズレが発生しますので、最後は糸巻きの穴を削るリーマーという道具で修正しながら穴を慎重に削っていきます。 正しく平行に糸巻きの穴があいているか測定確認しながら慎重丁寧にリーマーで削ります。 仮の糸巻きを差し込んでみました。雰囲気でてきました! 求める穴の大きさまであけましたら、糸蔵の中を最終仕上げいたします。糸蔵の壁の厚み、底の厚みを必要なところまで削ります。 続けてチェロのエンドピン穴を同様あけます。まず位置を決める小さな穴をあけてから大きな穴をあけます。最後に同様エンドピン用リーマーで角度を調整しながら精確にあけていきます。 エンドピンは以前face book で紹介させていただいたカーボンシャフトのエンドピンを使用いたします。現段階では私のなかで、このエンドピンがベストな選択なのです。 今回糸巻き、テールピースはローズウッド材のものを使用予定です。チェロ用変形テールピースを製作するかどうか迷ったのですが、スタンダードな形のものを使ってみようと思います。そのかわり可能な限り絞りこんで、スリムですっきりした形状に変えてみようと目論んでおります。 部品の厚みや、形状、色相を変えます。 ローズウッド材を削っておりますと、鼻が刺激されて大変です。時々ローズウッド材のアゴ当てで肌に炎症おこすかたがいらっしゃいますが、なるほどわかりますね!チェロの場合直接ふれることがございませんので、問題はおこりませんが、見映えの良さで黒檀や、ツゲ材ではなくローズウッド材を選択いたしました。 糸巻きなら握ったときに角が手にあたって痛いときがありますので、少し丸みを持たせて柔らかな感じに仕上げたいのです。 そしてもっと深く濃い染まり具合にしたいのです。仕上げ具合によっては、より硬質なキリッとした印象の部品に生まれ変わります。 最後の写真は、新たに製作中のバイオリンの木型です。クランプをかける穴をあけています。ボディ全長を2㎜ほど小さく、横幅も2~3㎜ほど狭く製作させていただきます。表板のアーチはふっくらとしたものに仕上げる積りです。 実は今回の更新では原因(どうすれば)と結果(良い音がする)について考えてみたいなんて思っておりましたが、どうもそれにあう写真が見つからないので、次回にしたいと思っています。 説教臭い人生訓を語りたいなんて思っておりませんのでご安心ください。 結論はやっぱりわからないのです!と弱気な発言に収まりそうです。 もしかして次の更新までに画期的なアイデアや発見があるかもしれません。 常に最新作がベストなものになるような意欲はいまでもかわりません。 それでは2月の更新も宜しくお願い申し上げます。

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